結論は、屋台を長持ちさせるには、伝統工法しかない。

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 (朝長車 親子龍)


 
 ボルトやネジで組み立てる事しか出来ない大工が全国的に増え、
 歴史の有る祭り屋台を駄目にしているそうです。木を組み合わせ
 作る伝統工法だけで作れば、長持ちし、修理の際も、楽に分解出来る
 のですが、鉄はどうしても、サビを呼び固着して、木を腐らせ、作業を
 大変にします。古い住宅を増築する時に、ナットが錆て動かず、グラインダー
 で切る時が有りますが、屋台では、見えないように、木の中に埋め込む場合が
 多いようなので、より大変で屋台も痛めます。伝統工法さえ知っていれば、
 長持ちさせる事が出来るのに、残念な事です。木と相性の悪い鉄を使うと
 寿命が3分の一になると思いますので、注意が必要です。屋台に使う伝統工法
 には、どんなものがあるか、先人の知恵に関心するはずですので、是非、
 お立ち寄り下さい。
 


 

屋台は本当はボルトが嫌い。

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 (直径60センチのケヤキ車輪漆仕上げ、迫力が違います。)

 
(築34年の屋台に使用されたボルト、ほとんど錆びついた状態です。)

 鉄は結露してサビを発生させ、その水分がカビを呼び、木を腐らせてしまいます。
最後の宮大工と言われる西岡棟梁は、鉄を使うと、木の寿命が短くなると言って
木と鉄を一緒に使う事を嫌ったそうです。屋台にも同じ事が言え、戦後、鉄の質がずんずん
悪くなって来ている事を考えると50年が限界かと思われます。その時の、無駄で大変な作業が
思いやられます。近くでは、足助の200年以上経っている屋台、ボルトなど使っているはずも無く
ゆらゆらと今でも動いています。ボルトを使うとどうして長持ちしないか?答えは簡単で
実績の有る、伝統工法のほんの一部分しか使わず、悪く言うとボルトに遊ばれているようです。
まず、長持ちしている屋台のまねをして作ることが一番大切だと思います。






 

これからの屋台作りは、伝統工法で。

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     (今、製作途中の実物三分の一の屋台模型)

 この製作途中の屋台模型、ネジ、ボルトを使わない、伝統工法のみで作る事が、
出来る、最小の物に近いサイズだと思います、何故なら、これ以上小さくすると、
伝統工法に良く使われる、仕口のアリの強度が出ないからです。これを作った
本当の理由は、これから作りたい屋台の、全体の形やバランスのチェックを、
したかったからです。それから、一目瞭然で、自分達の工房の作っている、
伝統工法の屋台の説明を、現物を見てもらいながら、説明出来るからです。
この屋台の、斗組、欄干、高欄などの、形も構造も、自分達の祖先が、残してくれた
財産なので、これから、作る屋台に使い、子孫に残す事が、大切なはずです。
また、伝統工法を抜きにして、100年以上持つ屋台は作れない事を知って欲しいものです。








 


 

伝統工法でしか作れない、丈夫な欄干や屋台本体。

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 (欄干の柱を正確に作るには、角材のうちに加工するのが基本です。)

 (鉾木の先に付いているのがヒネリアリです。地覆にタタラ束用の寄せアリも空けて有ります。)


最近、寄せられる屋台修理の相談で多く聞かれるのが、欄干の柱のぐらつきによる、
鉾木の外れと損傷などです。その原因を一口で言うと、伝統工法で作らないで
ネジとボルトで組まれていると言う事です。昔から伝わる屋台独特のその作り方は、
全国共通のもので、丈夫さを突き詰め、直ぐに、分解出来るように作られています。
これが、一人が考え広まったものか、複数が考え広まったかは、分らないようです。
普通、木組に良く使われるアリは、上下や左右の移動で利かすのが、常識ですが、
この屋台の欄干に使うアリは、ヒネリアリと言って、45度回転させる事によって利かす、
画期的な物で、その先に丸棒を付けて、柱の中で90度違う方向の木と、組み合わせる事は、
今の大工では、想像すらも、出来ないものだと思います。良く考えて見ると、
伝統工法は見えない所にアリを多く上手に使い強度を上げているのが分かります。
100年以上持たせるには、100年以上持っている屋台の、構造を真似る事が大事だと思います。
これから作られる屋台が、短命の原因のネジ、ボルトの使用を止め、優れた祖先が残してくれた、
伝統工法を使って屋台を作くられる事を希望します。なお、模型で色々ご説明出来ますので、
お気軽にお立ち寄り下さい。






 

寿命が短すぎる屋台の原因。 その2

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  下の写真は、虹梁と柱の仕口を伝統工法で作ったものです。一般住宅建築では、通し柱に梁を差す
 場合は、今では梁に縦ホゾを付けボルトを引く簡単な作りにしますが、屋台作りに、これを使うと
 ボルトのサビ、ナットの緩みで、寿命が短い、揺れが多い屋台になってしまいます。伝統工法は手間の
 掛かるものですが、単価の高い屋台なので、作ってもらう方が、その事を知って欲しいと思います。
   

    
    
  次は、揺れを防ぐための、中屋台の構造ですが、鉄のブレスは取り付け部分に、強い負担が掛かり
 過ぎて木の柱を痛める割には、鉄骨建築用に作られた物なので、効果が少ないようです。それより、
 古い木造住宅や歴史有る祭りの屋台(山車)に、使われて来た、貫工法の方が、効果が有り軽量化
 出来るので使って欲しいものです。
     




 

寿命が短すぎる屋台の原因。

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  (出彫りの練習に作った菊水の虹梁)

 先日、屋台の揺れが酷過ぎるものを、秋祭りが済んでから直す事が一か所決まったのですが、
今回また、袋井地区から、同じく、築後40年近く経った屋台が揺れが酷いのと、欄干の
鉾木が外れるように、なってしまったので、見に来て欲しいと連絡をもらい行って来ました。
最近、他にも、同じような話を何か所も聞くので、これから、作ろうとしている自治会の人は、
同じような過ちを繰り返さない為に、長く持つ屋台の本当の構造を知って欲しいものです。
歴史の有る地区の屋台は、どれも100年から200年は持っているので、その構造を知って
同じ様に作れば、良い事です。伝統工法は、まねする事だと思うのですがどうでしょうか?
まず、昔なかった、ネジ、ボルト、ブレスを使わずに作るのが、長持ちする屋台作りの基本です。
同じ構造の屋台をまた作るのは、無駄としか言いようが有りません。
模型を見ながら、説明すれば、誰でも理解出来ますので、お気軽にお立ち寄り下さい。







 

危険を感じる、異常な揺れの屋台の原因を考える。

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 朝長車彫刻(立川流彫刻6代目立川芳郎尚富作)

昨年末、作って35年前後の屋台を、分解し、また同じ時期に作られ、危険を感じる揺れの屋台の
見積もりの下見に行って、気が付いた事などを書きます。どちらも、手木と柱の仕口が緩く、
家の建前なら、怖くて上に乗れないほどだと思います。これは、長年の揺れによって緩くなったのか、
最初からなのか気になります。柱が短いのに、この揺れでは、もしかして、柱と虹梁の仕口もアリ加工が
同じく、してないかもしれません。揺れ方から見て、中屋台の鉄のブレスで何とかしのいで居る状態だと
思います。そのブレスも、引っ張られて利いた方は良いが、その反対側は緩んでしまうので、その事で
捻じれや、横揺れを産む原因になってしまうのではと思うのですが、誰か力学に詳しい人がいましたら
説明をお願いします。また、どの屋台も、中屋台と本屋台が組まれておらず、少しすき間が
有るのも、不思議に感じています。今度、組む時には、金物で中屋台と本屋台を固定しようかと
迷っていますが、どうでしょうか?ご意見お願いします。











 

屋台修理で分かる事。 ①木と鉄の相性の悪さ。

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 2台分の車輪で、手狭になってしまった作業場。
 32年が過ぎて、錆付いてしまったボルト・ナット

自町内の屋台を32年ぶりに、漆修理をする事になり、そのための、分解、車輪の輪金の締め直し、それと、
本体に異常な揺れが有るので、その原因を見つけ、ついでに長持ちするように直して欲しいと言う、注文です。
 最初、気になったのは、ボルト・ナットの錆です。このボルトも片方のナットが外れたので良かったが、
両方外れないで、それが、穴の中でナットの頭が潰れてしまうと、これは最悪の事態になり、容易に
分解出来ないようになる事が心配されます。昔から、木と鉄は相性が悪いと言われており、木が錆を呼び
また、その錆が木を腐らせます。やはり、長く持たせたい物には、ボルトを使わないで、昔からの方法で
作るのが大切だと思いました。
 
 



 

屋台トラブル修理します。

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  6代目立川流棟梁立川芳郎尚富の獅子と獏の彫りです。
 
 屋台のトラブルで意外と多いのは、欄干と高欄の緩みとガタツキだそうです。
 このトラブル、昔の人も悩まされ、すでに、解決された方法が有ります。
 自分達も偶然知っただけですが、修理出来ますので、ご相談下さい。


 

屋台車輪の保証を考える。」

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 今は、木造住宅でも10年保証の時代になって来ました。
  (実際には可動部は含まないようです。) 
 そんな中、屋台車輪に保証の話が出てくるのも当然の成り行き
 かもしれません。自分達は、作らせて貰った責任上、屋台本体まで
 作らせて貰った場合は10年、車輪単体の場合は5年にしています。
  そのトラブルの第一は、材料の乾燥不足、、そのチェックに水分計は
 欠かせないものです。第二は丁寧な加工と、正しい焼嵌めと。締め付け力
 後光を少し長くして、効かせる事も重要です。プールを使わない焼嵌めは
 板が割れるので、弱い締め付けしか出来ません。
  以上の工程を守れば、使い方で差が出るそうですが、40年近くはそのまま
 使えると聞くので、職人として、この程度は保証するしかないようです。
  車輪に不安な地区の方は、点検、アドバイスしますので、お電話下さい。
 
  


 

地元屋台を見積もる。

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 この、 池新田の車輪の甑(球)は、前の絞れ具合が良く、形が綺麗な物になりました。
 ケヤキの芯去りでこのサイズになると、現在では、手に入りにくい物になってしまいました。
 
  昨日の午前中、地元屋台の見積もりに参加するため、屋台小屋に行ってきました。
 作って30年を過ぎると、手入れの必要な所も出てくるもので、その時期かなと思いました。
 第一に車輪、漆を塗って直ぐに、輪金が緩み、焼嵌めをし直したのですが、、焼嵌めの
 やり方が悪く、車輪の変形と共に、外周の輪板の数枚がめくれる様に漆と共にひび割れ
 見た目が悪いばかりでなく、水の浸入も気になります。ケヤキの車輪は、丁寧に作り、
 正しい焼嵌めをすれば、100年は使える物です。これだけは、自分達の手でやりたいと
 思いました。それから、手木とその上の地覆の、漆の塗装のための取り外し、下だけ、
 分解すれば、コストが下がりますが、上げて置く期間が長くなるので、地震を考えると、
 総分解の方が安全だと言う事で、その見積もりを出す事にしました。この見積もりには、
 地元の大工、5社が参加しそうで、良い事だと思います。


 

屋台の車輪を作り終えて。

カテゴリー │屋台作り






 芯棒の穴あけ用に作った丸カンナ、これが無ければ正確な穴は空けれません。

 今回の車輪作りの一番の問題は、玉の芯棒を受ける釜金の無い事でした。
手持ちの球は、乾燥の最後の段階で穴の内部から少しだけ、芯割れをしてしまい、
釜金を入れる物には、使えるのですが、釜金を使わない、このタイプの車輪には
使えず、急きょ、数倍の単価の、芯去りの乾燥材を探す事になりました。
芯棒の穴も、昔と同じ、手作業でやるしかなく、特別長い丸カンナ作りから始め、
グリス溜まりも何とか工夫して出来ました。人間、本当に困って、考えると何とか、
工夫を考えつくものです。強い車輪を作るには、ホズの長さや入れ込みの硬さを考え
後光の長さ調整、輪金の詰め具合など、良く考えると難しい物です。
また、作業途中にある自治会から、他社の作った屋台車輪の点検を依頼され、
見に行ったのですが、締め付けが、それ程強くないのに、輪板の表側が剥れる様に
ひび割れ、車輪がお皿の様に反っていたのを、見ました。輪金が締まっていたので、
まだ大丈夫だと思いますが、焼嵌めが車輪の寿命を左右するのは、事実です。
少し考えると分かるのですが、皿状になると言う事は、締める力が外に逃げてしまい、
輪金もより外れ易い勾配に近づくと言う事だと思います。元々大工が平らな所で
削り合わせて作った物なので、平らな台の上で修正し直し、プールで急冷すれば、
大工の作ろうとした、元の形になり、強くて輪金も外れにくい物となるはずです。
普通、100年は使えると思うので、車輪のトラブルが心配な方はご相談下さい。







 

屋台の車輪の焼嵌め その2

カテゴリー │屋台作り


 木炭炉から取り出し、車輪に嵌め込んだところです。

 ホイストで持ち上げ、台の受け木を外し、プールに入れるところです。

 入れた瞬間、ブシュっと音がしますが、蒸気は大量の水のため思ったほど
 上がらないものです。

 水中でも、輪金は直ぐには冷めずプールの必要性が分かります。

 ようやく完成しました。きれいな木目なので、黒漆仕上げで無く、
 木目の見える拭き漆仕上げでも、面白いと思います。
 



 

屋台の車輪の焼嵌め。

カテゴリー │屋台作り仕事


  組み立てに、つい夢中になり、車輪の組み立て始めが、唯一の写真になってしまったもの
  です。強力なクランプで後光を引き寄せて輪板を入れるのが仕事です。

  前日から準備した木炭炉です。5尺の車輪なので、トタンで無駄のないように、
  工夫をして置きました。

  熱い日だったので、火をおこすまでが中々大変でした。

  前日に準備した、プールの上の鉄製の台に車輪を固定して、リースしたホイストで、
  焼いた輪金を車輪に嵌め込んでから、水中に入れて急冷する手順です。
 
 焼き入れは、人数が多く必要なので、いつもの仲間と、注文先の若い人にも、
 手伝ってもらいました。強く締めて変形させないためには、木炭炉とプールが必要ですが、
 どうしても、手間が多く掛かるものです。
 続きは次回に載せます。
  自分達は屋台本体を、昔ながらのネジ、ボルトを使わない工法で作り、100年以上
 持つ物を作るのが本業なので、そちらも、よろしくお願いします。一度、総ケヤキの屋台を
 作ると、ケヤキの屋台しか作らないと思われる人が居るようですが、ヒノキの屋台には、
 ヒノキの屋台の良さが有り、工夫次第で、十分な耐久性も出せるので、ご相談下さい。
 
  

  

 
 
 





 

車輪の昔の作り方。

カテゴリー │屋台作り


    朝長車の後ろ蛙股






輪がねを嵌めなかった時には、このように本実加工をして作られていました。
直径60センチの見本模型を作っているのですが、手間が掛かりますが、
流石に強度も増します。これからの受注の際には、今風の作りと、昔の作り
の両方を、作って行きたいと思います。

 
  

  

 
 
 





 

屋台車輪の治具を作ってもらう。

カテゴリー │仕事


   車輪焼嵌め用治具



   分割式焼嵌め用木炭炉

 一宮駅の直ぐそばの、鈴木暖房設備に頼んであった、車輪の治具が出来上がったので、
取りに行って来ました。前は木で作って有ったのですが、丸い物は鉄で作った方が、正確で、
水に浸ける重しにもなり良いはずです。出来るだけ軽く考えて作って有ったのは、流石です。
下の写真の木炭炉を、送風機で炭の温度を上げ、車輪の輪金を焼き、治具に固定した車輪に
嵌め、ブルーシートで作ったプールに浸ければ、強く締めても、狂わ無いので、輪金の緩みの
リスクも減り、作る方から見ても安心出来ます。木炭炉、プールのセットや後かたずけなど
手間が掛かりますが、全国どこでも、このサイズだとやっているやり方なので、やって欲しい
ものです。但し、人件費の節約のため、町内から焼嵌めを手伝う人を出してもらうのが
全国的にも普通のようです。車輪も屋台も少なくても、100年以上使える物を作るのが
大工の務めなので、そのためには、色々な事を勉強する必要があるようです。
物作りは色々工夫するところが面白いのだから。何でも、お気軽にご相談下さい。




 

池新田祭りを見学に行く。

カテゴリー │屋台作り


一之組後見長さんと芯棒を作ってくれる地元の大工さん。

同じく、後見長さんとお世話になっている松下さん。

 先日、屋台の車輪の本契約をした池新田の一之組に行ってきました。
今日の午前中に行く予定でしたが、雨が強く降ったりしたので、午後1時
に家を出発して、2時頃の到着です。天気予報通りに雨も上がり、日頃の
行ないの良さの現れでしょうか。この池新田祭りでは、車輪をキイキイと
鳴らすのが特徴で、それは、芯棒に効かすクサビで鳴っているのか、
それとも、芯棒自体でも鳴っているのか、見に来て欲しいと言う話でしたが、
現物を見てクサビに触った感じでは、クサビの様な気がしますが、地元の
人が言う、芯棒に共鳴すると言う話も有りかなと思えました。また、柱に
付けられた花が、ゆらゆらと動くのを見るのは、情緒が有って良い物だと
感じました。それでは、また、よろしくお願いします。



 


 

屋台車輪の製作依頼。

カテゴリー │仕事


 (屋根裏に乾燥中の屋台車輪の甑)

 池新田地区より屋台車輪の製作依頼があり、その打ち合わせをしました。
今回で自分達が池新田の屋台小屋に見に行ったのを含めると5度目です。
人を変えての材料と工場の見学と、色々な質問などを、お聞きしました。
どの地区でも、車輪のトラブルが多いようで、慎重にならざるを得ないようです。
そのため、数社に話を聞き、車輪トラブルの理由を合理的に説明出来て、
それを避ける手段を考え、材料管理をしている、この工房に決めたようです。
その中で、車輪の皿状の反りの話が出ましたが、車大工が皿状になるように
作るのかとの質問が有りましたが、そんな難しい事が出来れば大工でなく
東大に行っていると答えると、みんなに笑われました。それは、焼嵌めの水が
足りないから起きてしまう事を、船の船首の曲面作りを例に上げ説明し納得
してもらえました。この探求心は良い物を作ってもらうのにも必要だと思いました。
契約書下書きに車輪本体は10年の瑕疵責任を付けるよう書かれていましたが、
良く考えれば当然の事かもしれません。屋根裏の甑は製材して10年経っている物を
買って来て有りますが、来夏過ぎてから、作り始めたいと伝えました。何を作るにも、
材料の乾燥が基本で、ケヤキの材料管理には写真のような水分計は欠かせない物です。
乾燥した材料に、正しい焼嵌めをすれば、輪金は簡単には、外れる事はないので、
車輪トラブルにお悩みの地区の方は、ご相談下さい。






 

乙川(半田市)に山車を見に行く。

カテゴリー │屋台作り


  (勢ぞろいした、 乙川の山車)
 先日、半田の乙川に山車の見学に行ってきました。乙川の山車は
数ある半田の山車の中でも、特に彫金などが豪華で凄いと評判です。
建築の設計屋さん、ミニ屋台作りに夢中の人、祭り大好きの若手大工、
それと、自分の4人連れです。もう一人行きたがっていた大工は、家族連れでの
現地集合になりました。自分以外初めてなので、その豪華さと、血を流しての
坂上げには、驚いていました。坂の上の神社に勢ぞろいしての、儀式の中に
山車の上ほどからロープを出して、前後に激しく揺するものが有るのですが、
それを見て一緒に行った皆が、森のブレスが入った屋台では、ボルトの所が
駄目になって、持たないだろうと言う話になりました。ここの山車は8本柱、
足助の山車は6本柱の貫工法、これらを見て、自分達も永く持たせるには、
中屋台を6本柱の貫工法しかないと思い朝長車を作った事を思い出しました。
歴史の有る所の物を見に行くのは、勉強になる所が多く、面白いものです。


 

屋台材料事情、今と昔。

カテゴリー │屋台作り


 (朝長車 木鼻)
 先日、漆屋さんとの会話の中で、漆塗りには、桧の白太付きの材は良くないと、
言う話が出ました。白太部分は劣化が早く、塗った部分が凹み易いと言う事だ
そうです。自分達もケヤキより桧でのコストダウンを考えていたので、早速、手木材
の見積もりを材木屋さんに依頼しました。材木屋さんの言うには、手木用の桧材は
白太の付いた物しか、現在は取る事が出来ず、漆塗りに向いた、赤身だけの取れる
大きな木は、今では、ほとんど出なくなり見積もりも出来ず、どうしてもと言う場合は
太い丸太を買ってもらいそれからと取るので、すごく高くなり、かえってケヤキの方が
安いと言われました。そう言われれば、全国的には、手木など強度を必要な所には、
ケヤキを使うのが普通なので、この辺でも、その様な時代になって来た気がします。
硬く強度と耐久性が有るケヤキの方が、細く持ちやすく出来て合理的なので、
黒漆で塗る時は、手木をケヤキにし、その上を桧で作れば軽くコストも下がるので、
その方が良い方法だと思います。最低でも100年持つように考えて材料と工法を
選んで行くのが作る方の責任かもしれません。