車輪も、伝統の形で、作り続けています。

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  (輪金を巻く前の状態、最後に無理に入れた所は、多めに空くので、木炭炉が効きます。)


  熟練の車大工の家を作っている時に、車輪製作を見た経験と、インターネットで調べた資料を元に、
直接、作り方を誰にも、教えて貰わなかったのが原因なのか、何台も作ってから、今、作られている、多くの車輪と、
少し違っているのに、気が付きました、それは、小羽のコバが、輪の芯からの、放射線上に有る形で、家紋や絵や、
有名な祭りの、古い屋台(山車)はこの形になっています。多分、輪金を巻く以前は、この形でなければ、持たなかった
と思われます。この、小羽の形は、原寸図上で、削り合わせる時に、少しでも、削り過ぎると、材料が無駄になってしまう
形なので、神経を使い、時間も掛かります。また、組み立てにも、色々な、工夫と余分な時間が掛かりますが、
小羽と、芯からの、放射線が一致した、自然な形が綺麗な事や、強度も上がると、思うので、これからも、手間を惜しまず、
作る時は、この伝統の形で行きます。
 伝統工法は実績そのもの、祭りは伝統工法を伝える役目も有ると言う言葉も有ります。
屋台や車輪の、新造の計画が有りましたら、ご相談下さい。




 

屋台と、車輪焼嵌めの、相談と見積もり。

カテゴリー │屋台作り

 
  
    (店内展示の拭き漆仕上げの車輪模型、左側)


 昨日、午後から雨が上がったので、車輪の焼嵌め修理を、頼まれていた、自治会の屋台小屋に、
車輪を、持ちに行ってきました。70年前に作った物だそうですが、各部分、しっかりした作りなので、
輪金の焼嵌め交換だけで、まだまだ、長く使えるはずです。古くなって、輪金が緩むと、作った人の
仕事の丁寧さ、(木の乾燥、ホズの長さ、など)が分かるので、自分達も、何時までも使える、
良い物を、作らなければと、思いました。ところで、焼嵌めは、簡単に見えて、難しいものでもあります。
自分達の所では、しっかり、輪金を焼き伸ばして、素早く、均一に水で冷やすために、、木炭用の、
円形の鉄製の炉と、合板とブルーシートで、プールを作り、焼嵌めをしています。ある程度、強く締めても
変形しないので、全国的には多く使用されているようです。輪金の材質も、値段は高いのですが、
黒皮付きでなく、ミガキの帯鉄を使い、少しでも長持ちさせたいと、考えています。
 屋台も作ってから、長くなると、作った所が廃業するなどして、何処に、相談したら良いのか、困っている
所が、多いと聞きます。屋台も業者により、値段と修理方法も随分違っているので、何か所か、見積もる必要が
有りますので、まずは、お気軽に、ご相談下さい。







 

 







   


 

伝統工法で屋台を作る理由。

カテゴリー │屋台作り

 
 

    伝統工法の2手先斗組(ケヤキ拭き漆仕上げ)
  
  
   最初の屋台を頼まれたのは、10年程前の事です。頼まれた以上は、恥ずかしくない物を,作りたいと思い、
 全国的に有名な屋台は、どんなふうに、作ってあるのか、見に行きました。幸い、この近回りには、まず、滋賀県の長浜、
 岐阜の高山、愛知県の犬山、半田、足助、などが有り、豪華絢爛、過ぎて、圧倒されましたが、ただ、感心するだけでは、
 見に来た意味がないので、なぜ、斗組がこんなに綺麗か?半田と足助の山車は、背が高く、神社の境内の、砂利道から、
 出すのに、わざと、山車を揺すって、その反動を利用して、出していたので、やはり、揺れ動く2輪屋台でも、日本古来の
 伝統工法の貫工法を使えば、木を傷めず、半田や足助のように、200年くらいは、持つだろうと思いました。
 木造住宅も、斜めに筋交いを入れ金物で固める工法が、今ではほとんどですが、まだ、材料と手間が掛かる、貫工法で
 作っている人が有り、その方が、地震が来て傾いても修正が出来やすいそうです。また、金物で固定すると破損個所が多く
 出やすいと言う話ですが、何しろ、そうするには、お金に余裕が欲しいと聞きます。
 
 

 
  


 

長持ちしている、屋台を真似るのが、一番の近道?

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    ボルトやネジを使用しない、伝統工法だけで、作られた、ミニ屋台

 お久しぶりです。最初の屋台と車輪を作って以来、8年、輪金も緩む事も無く、屋台のトラブルも無く、時間ばかりが早く過ぎて
行く気がします。その間、屋台大工が二軒、車大工も同じく2軒が廃業するなど、業界も色々と変化しています。 
 その為か、屋台の車輪の新造が6台、輪金の焼嵌めは、それを含め、10台分になりました。その中で、気になったのは、
車輪が皿状になった物が多い事です。正しく焼嵌めレば、この状態になる事は無いので気を付けて欲しいものです。
この状態になると、輪金が緩みやすくなり、強くしめようとすると、余計に変形して、車輪の寿命を短くするので、
注意して欲しいと思います。それから、不安になるほど揺れが、ひどくなったとの、相談を受け、中屋台を6本柱にして、貫工法に、
作り変えた屋台が2台有ります。半田や足助など、江戸時代に作られた山車は、この方法が使わて、全国的にも、普及しているので、
一番適した、実績の有る、伝統工法だと思います。揺れて動く、木の屋台を、金物などで、強く固定し過ぎて、鉄に比べ柔らかな木を
痛めない事が、大事のようです。

 
 

 


 

中屋台の改修が終わりました。

カテゴリー │屋台作り


 伝統の貫工法、斜め材は、揺れを受け止め過ぎるので使いません。

貫工法を有効にするためには、6本柱が必要になります。(貫と柱の抵抗を増やすため)

 取り外した、鉄のブレス、随分軽くなりました。(木のためにもなります)



 40年近く経ち、危険を感じるほど、揺れると言う事で、金箔の補修を兼ね、
 全体を解体して、出来る範囲での、改修をしました。
 揺れを大きくしてしまった原因は、単なる工法の間違いで、鉄骨建築のブレスを、
 木造建築に使ってしまった事に始まります。鎌倉時代から伝わる、木造建築の伝統工法は
 揺れて地震の揺れを逃がす、貫工法ですが、近年の家の建て方(在来工法)では、柱間に筋交いを入れ
 金物で固定する剛構造に、施行が簡単で強度計算が楽なためなってしまいましたが、
 そこでも、鉄のブレスの使用は許されていません。木造建築にどうしても鉄のブレスを使用したいと、
 言うのであれば、特殊な免震装置(ダンバーなど)を付けないと、木を痛めるので許可されないと
 聞きます。やはり、1000年の実績が有る貫工法を使って欲しいものです。
 また、欄干のグラツキの修理を頼まれましたが、屋台専用の作り直しには、お金が掛かり
 過ぎるため、社寺と同じ様に金物を使い直しましたが、まずまずの強度だと思いました。
 屋台の構造的トラブルは、当の昔に、ご先祖様が解決してくれた有ったのに、今の自分達が
 知ろうとしなかったと言うか、教えてもらえなかった、だけかも知れません。
 実績の有る、伝統工法だけで屋台を作れば、長持ちするのに残念な事だと思います。
 

 
 


 

ここにも、先人の知恵が生きています。

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立川流 子持ち龍の彫り


  
 右の木の細工を知っていれば、左の錆びてしまった鉄のボルトを、使用しなくても、
 屋台を組み立てる事が出来るものです。


 屋台を作るには、木を重ね合わせ、組み立てる事が必要です。そこで今風の鉄のボルトを、
 使うのか、昔の人のように、木だけを細工して、組み立てる方法かに、分かれますが、そこで、
 迷う必要は、何も無いと思います。実際、昔の人が考えた木だけを使った方法には、
 長い実績が有りますが、鉄のボルトやビスを使用した屋台を、分解して分かった事は、木を組み立てるには、
 不向きな物だと言う事です。鉄は錆びる、重たい、硬い、締め付けると木の柔軟性を殺し、ビスを打った斗組の
 斗が、ひび割れた所が、実際、何か所も有りました。やはり、長持ちする屋台は、伝統工法だけでしか、
 作れないようです。
 
 
 



 

屋台修理で分かる事。木の痛みの多さ。

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 立川流のウズラの彫り

  
 築40年、鉄のブレスを止め、貫工法に改良中の中屋台。



 分解して良く見ると、鉄のブレスを使う事による、悪影響が分かります。
 まず、ブレスの取り付けボルトの穴が、楕円形になって居たり、ヒノキの柱の穴の所に、
 ヒビが入ったりと、衝撃の酷さが見て分かり、この工法が合っていない事が分かります。
 ネットで検索すると分かりますが、木造建築の耐震工法には、在来工法と伝統工法が有り、
 在来工法は、戦後、西洋の技術も取り入れ、柱に斜めに筋交いを入れ、金属で固定する方法で、
 剛構造で、施行が容易です。一方の伝統工法は、1,000年に及ぶ歴史が有り、柱と柱の間に、
 貫を通し、地震の揺れと衝撃を、それを変形させる事によって、吸収する、柔構造のものです。
 また、手間の掛かる、精度も要求される仕事なので、使われなくなってしまいました。
 揺れて動く屋台には、伝統工法が合っています。この辺で使われて来た、ブレス構造は、
 応急的に使われた鉄骨建築用の部材で、木造の屋台には、適さず、寿命を短くする事を
 知って欲しいものです。
 
 
 
 
 




 

屋台修理で分かる事。

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 屋台を作ってから、何台もの、揺れ過ぎる屋台の点検を頼まれ、そのうち、2台ほど分解修理を
 しました。分解修理した屋台は、35~40年近く経った物で、どちらも、ネジ、ボルトが錆びて、
 穴の中で、回らない物が有り、外すのに、多くの無駄な時間を費やしました。これだけ錆が発生すると、
 木その物も、腐らせてしまうので、やがて、大きな問題になってしまいます。そんな時、昔の人が残してくれた、
 木工の技を使えば、軽くて錆びるはずも無く、何時までも簡単に分解修理出来るので、屋台を作る大工は、
 是非、覚えて欲しいものです。《鉄と木は合わない》 最後の宮大工、西岡棟梁の言葉だそうです。
 



 

中屋台を作り直す。その②

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 格子を取り付けた状態です。(本柱上には、斗組の高さのスペーサーが入っています。)




 後ろからの写真です。虹梁の裏に、幅の広く、厚い、ちから板が入り、
 横方向の揺れを防ぐ構造になっています。




 上からの写真です。本桁と中屋台の桁はアリで組み合わされ、さらに、通し肘木も
 より深く組み合わしたので、以前付いていた、火打ち材を省く事が出来て、鉄のブレス材
 を含め、かなり、軽量化出来たと思います。千年も前から伝わる、揺れる屋台に合った
 貫工法は、屋台に優しく、長持ちさせる、唯一の方法だと思います。
 揺れる屋台を根本から治すには、中屋台を6本柱の貫工法にするしかないのが
 構造力学的に見ても事実のはずです。なおその工事は、漆の直しや、金箔の直しの工事の時に
 同時にやれば、安くも出来、綺麗になった屋台も長持ちするので良いと考えます。
 今なら、貫工法の屋台の強さが実感できますので、ご連絡下さい。
 
 



 

中屋台を作り直す。

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久しぶりの更新です。
屋台が不安な程揺れる、と言う相談を受け、中屋台を日本伝統の貫工法に作り替えました。
以前のブレス工法の中屋台の柱は、ボルトの取り付け穴部分に亀裂が入っていて揺れの酷さが想像出来ます。


  
  中屋台と本桁をアリで固定し、それだけでもかなり揺れなくなりました。


  
  中屋台の貫は、クサビで落とし位置を固定させ、込み栓でも固定する作りになっています。


  通し肘木も入り、充分な丈夫さになりました。後は、貫をクサビと栓で固定すれば、より強い物になります。
  昔の優れた職人が、何世代も掛けて残してくれた技術を、使わないのは、失礼な事かもしれません。
  後は、中屋台の格子作りです。しばらくは、この状態なので、興味の有る方は、是非、見学に来てください。


 

伝統工法の塊りだった屋台。

カテゴリー │屋台作り


   (高欄を上から覗いて見ました)

 屋台の伝統工法展の準備で、当たり前の事に気が付きましたが、
社寺建築の一部門の屋台作りは、先人の残した知恵と技の塊りでした。
今の大工に出来るのは、虹梁や肘木の絵模様や彫り物を決める事のようです。
それから、屋台は軽く丈夫な事が大切なので、高欄や中屋台や土台を合理的に
作る事を、まだまだ考える必要が有るはずです。



 

ご来場ありがとうございました。

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 (店内正面に飾り付けました)

 屋台の伝統工法展には、300人以上のご来場をいただき、ありがとうございました。
不慣れな為、説明不足の点も有ったかと思いますが、お許しください。前高欄(欄干)や高欄の
分解、組み立ての実演には、カラクリのようだとか、良くも、思い付いたなど、昔の人の
知恵や技に、皆が感心していました。前高欄の構造を見て、これなら丈夫で長持ちするはずだと
言っている人もいました。また、中屋台の貫工法を見て、昔の自分の家も、このように作って有ったなどと、
色々、話が弾みました。なお、ご都合で、ご来場いただけなかった方は、店内に展示して有りますので
お気軽にお立ち寄り下さい。その際、不在の事が有っては行けませんので、お電話くださると有り難いです。



 

屋台の伝統工法展始まりました。

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 朝九時から展示物の設置を始め、10時には、ほとんど終わりました。
外は暑くて大変でしたが、中は涼しくて快適ですので、是非お越しください。
屋台に使われる伝統工法、と言う題でパンフレットを書き始めたのですが、
自分達が目指している、昔の宮大工が作った屋台は、伝統工法だけで作って有る
ので、題を変えました。木だけを使い、200年以上持つ屋台を作った、、昔の
宮大工の知恵と技を、見に来て下さい。


 

屋台の伝統工法展IN森町文化会館展示ギャラリー

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 8月25(土)~9月2(日)まで森町文化会館展示ギャラリーで屋台の伝統工法展を開きます。
その内容は、伝統工法で作ったミニ屋台、斗組、欄干、高欄、貫工法の中屋台などの模型を展示し
説明もします。また、ミニ屋台の、彫刻は立川流の物を真似て、自分達で彫りました
そして、彫刻の取り付けもクサビで取り付けるなど本格仕様で作りましたのでご覧ください。
当たり前ですが、ネジやボルトなど使わないで作った、昔の大工の知恵と技には、誰でも関心するはずです。
伝統工法の斗組と屋台の良さ、そして長持ちの理由を見つけに、是非お越し下さい。








 

屋台と伝統工法と地震の国日本

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  (伝統工法の斗組は、何度見ても飽きない綺麗さが有ります。)

 虹梁や斗組や高欄を使用した屋台は、社寺建築の分野なので、それなりの経験が無いと
難しいものです。伝統工法をネットで調べると、意外と範囲が広く、難しい事が書いて有り、
何度も読み返して少しは分かりました。斗組の形や木割りも伝統工法の範囲ですが、
そこは、本体軸組が主でした。昔から、地震が多い国の日本では、色々と、工夫を重ね
何とか、地震に強い作り方にたどり着いたのが、この伝統工法だったようです。
昔から、一番簡単に家を、まっすぐに立てるには、斜めの筋交いが、楽に出来るはずですが、
古代建築では、筋交いの使用例は壁の中に数例だそうです。多分、地震で潰れた物が多く
出たからでしょうか?そこで考えたのが、柱に横穴を多く空け、貫板を通しクサビで固定して
建物を立つ方法でした。柱と虹梁や斗組も、当然、金物で固定せずに、木を組み合わせ、
少しの余裕を作り、地震の時は、木の柔軟性で建物全体を少しだけ、一時的に変形させ、
揺れを吸収して、受け流す構造のようです。建物を硬く固定しないで、柔構造に作る、
これが、地震の国、日本が考えた伝統工法だそうです。これ以上、屋台に合った作り方は
無いので、本当の伝統工法を考えて作らなければ行けないと思います。柔構造に作ると
言う事は、まず、無駄なボルトや金物を忘れる事です。


 


 

ミニ屋台も彫刻が主役。

カテゴリー │屋台作り


   (ようやく完成したミニ屋台正面彫刻)
 伝統の木割りと形で作られた、正式の斗組のミニ屋台、彫刻を付ける前から、
綺麗で良い感じでしたが、彫刻を付けると、格段に良い雰囲気の屋台になり、
屋台は所詮、彫刻の台と言われているのが、本当の事だと、分かりました。
この彫刻は、半田の昔の山車の立川流の物を参考にして、自分の所で彫りましたが
下絵が良い為か、遠くからでも、何が彫って有るか分かるので、下絵がいかに大切か
分かりました。これも、肘木、虹梁、地覆を彫る練習になるので、有意義な事です。




 

屋台が揺れ過ぎる理由。

カテゴリー │屋台作り


  (屋台に適した柔構造の貫工法)

 最近、屋台が揺れ過ぎて不安を感じるので、点検して欲しいと言う連絡が何件も有り、
一件は、修理中、もう一件は、10月の祭り後に修理をする事に、他に2台の屋台は、
新築を検討したいとの話でした。どの揺れ過ぎる屋台にも、共通点が有り、簡単に言うと、
本屋台も中屋台も伝統工法で作らずに、ボルトや金具を使って作って有る事でした。
ボルト屋台が何故揺れ過ぎるか、これは、過去の実績も無い、構造力学的に間違った作りを
誰でも簡単に出来ると言う事だけで、作ってしまった結果と言う他に有りません。片や
伝統工法の屋台は、昔の大工が、失敗と改良を重ね、200年以上持つ実績を残した確かな物
なので、これを、否定する事は誰にも出来ないはずです。基本的に、揺れて動く屋台は
伝統工法の、木の揺れを吸収する作りの柔構造が合っているのに対し、ボルトを使用しただけで、
揺れを吸収する余裕を失い、木を痛める、剛構造の作りになってしまう事のようです。理屈はともかく、
ボルト屋台を分解すると、硬い鉄が、柔らかい木を、痛めているのが良く分かります。
せっかく、祖先が残してくれた、技術を使わないのは、勿体ないし、申し訳ない事なので、
これから作る屋台は、是非、ボルトを使わない伝統工法で作り、長持ちさせて欲しいと思います。



 

 ボルト屋台が持たない分け。

カテゴリー │屋台作り


 (伝統工法で作られたミニ屋台)

 伝統工法の屋台には、何百年の実績が有りますが、それに比べ、ボルト屋台は作られて
40数年位しか経っておらず、それが、危険を感じるほど、ぐらつき分解した、その結果は、
ネジは錆び回らず、木を黒く変色させ腐らせ、木を痛めていました。現実として悪い結果が
出た以上、皆が伝統工法で屋台を作るように、なって欲しいものです。なぜ、長持ちしないか、
それは、屋台が木で作られ、揺れて動く柔構造の物だからです。揺れて動くには接合各部に
余裕が必要で、元々、木に有る柔軟性を考慮した伝統工法が屋台に合っているようです。
それに比べ、ボルトは伸びず、各部を硬く固定する性質のため、柔軟性を必要とする屋台
には、使わないのが、常識のようです。鉄のブレスも同じ理由で使わないのが常識だと
言われました。同じ過ちを繰り返さない事が大切だと思います。





 




 

屋台が危ない2つの間違い。

カテゴリー │屋台作り


  (伝統工法で組まれた、ミニ屋台内部)

今の、2段斗組の屋台が何故危ないのか、簡単に言えば、間違った作りを
2つも重ねてしまった事に、問題が有ります。これは、自分達が揺れて、
危険な状態の屋台を点検、分解修理、、ネットで調べたりして、確認した
ものなので、事実です。第一に、住宅建築には、今では、ボルトで骨組みを固定
しないと、許可が下りないので、屋台もボルトを入れた方が丈夫になると
思ってしまいますが、今の家は筋交いを多く入れる、剛構造に作ってあり
そのため、各部材をしっかり固定するために、ボルトも多く使用して有ります。
しかし、屋台は揺れて動く必要が有り、柔構造以外に作り方は有りません。
部材を強く固定させる、ボルトは、柔構造の妨げになるだけでなく、錆びて
分解修理の邪魔もし、木も痛めます。次に、2段斗組の今の屋台には、
どうしても、中屋台が必要ですが、そこに揺れ止めに使用してある、鉄のブレス
が問題です。これは、木造の柔構造部材では無いので、昔のどの家にも
使った、柱に穴を空け、板を横に通し、家を丈夫にした、貫工法が正解のよう
で、全国どこでも、使って有ります。悪い事が2つ重なると、屋台が危険になり、
寿命も短くなるので、注意が必要です。


 
 



 

ほぼ完成のミニ屋台、伝統工法の作りだとこのようになります。

カテゴリー │屋台作り


 

 このミニ屋台ですが、ボルトなどを使わない、伝統工法で組まれています。
この屋台の和様2手先斗組は鎌倉時代には、既に完成されていた、全国共通の形を使って
作って有ります。歴史が作ったものなので、違いが分かる人には、綺麗に見えます。
上の高欄ですが、跳ね高欄より、格式が高い、擬宝珠高欄を使ってみました跳ね高欄より、
上品に思えますが、威勢の良さでは、跳ね高欄でしょうか?斗組も前後、左右、一つづつ減らし
彫刻を生かす半田式にしてみましたが、これもまた、好き嫌いがあるようです。
中屋台も伝統の貫工法、を使い強度を確認しました。ずり棒も木で作った方が、かなり、軽くなり、
本体も木なので、これが、自然のようです。伝統に従って作ると、誰が作っても、このように
なると思うのですが、まだまだ、少数派で、理解してもらうには時間が掛かりそうです。