伝統の貫工法、斜め材は、揺れを受け止め過ぎるので使いません。
貫工法を有効にするためには、6本柱が必要になります。(貫と柱の抵抗を増やすため)
取り外した、鉄のブレス、随分軽くなりました。(木のためにもなります)
40年近く経ち、危険を感じるほど、揺れると言う事で、金箔の補修を兼ね、
全体を解体して、出来る範囲での、改修をしました。
揺れを大きくしてしまった原因は、単なる工法の間違いで、鉄骨建築のブレスを、
木造建築に使ってしまった事に始まります。鎌倉時代から伝わる、木造建築の伝統工法は
揺れて地震の揺れを逃がす、貫工法ですが、近年の家の建て方(在来工法)では、柱間に筋交いを入れ
金物で固定する剛構造に、施行が簡単で強度計算が楽なためなってしまいましたが、
そこでも、鉄のブレスの使用は許されていません。木造建築にどうしても鉄のブレスを使用したいと、
言うのであれば、特殊な免震装置(ダンバーなど)を付けないと、木を痛めるので許可されないと
聞きます。やはり、1000年の実績が有る貫工法を使って欲しいものです。
また、欄干のグラツキの修理を頼まれましたが、屋台専用の作り直しには、お金が掛かり
過ぎるため、社寺と同じ様に金物を使い直しましたが、まずまずの強度だと思いました。
屋台の構造的トラブルは、当の昔に、ご先祖様が解決してくれた有ったのに、今の自分達が
知ろうとしなかったと言うか、教えてもらえなかった、だけかも知れません。
実績の有る、伝統工法だけで屋台を作れば、長持ちするのに残念な事だと思います。